パリ・ノートルダム寺院の前の桜
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
師走でお忙しいと思います。 今年も、気が付くとあっという間でした。
この1年間を少し振り返ってみたいと思います。
昨年度のピアノ発表会(3月21日)、チェンバロ発表会(8月21日)は、人前で演奏するとても良い機会となり、皆様練習に励まれて素晴らしい会となりました。 また、よりレベルアップを目指してその後もレッスンさせて頂いています。
教室には、現在4才から大人の方まで幅広い年齢層、バックグラウンドをお持ちの方がレッスンにお越し頂いています。
日々の練習や勉強を積み重ねた成果が出ると、生徒さんご自身、そしてレッスンさせて頂いている私達講師も大変嬉しいですね。
● 音楽コンクール、英検でも素晴らしい結果が出ましたのでご報告させて頂きます。
① 山口 あさなさん(バッハコンクール優秀賞)
② 山本 明日美さん(J-city Tokyo Cembalo Pleasure大人の部 準グランプリ)
③木村 浩子ちゃん(高2、英検2級合格)
④井上 花歌ちゃん(小4、英検2級合格)
① 山口 あさなさん(バッハコンクール優秀賞)
約1年前に初めてレッスンへお越し頂いた大人の生徒さんで、「バッハをピアノで演奏することについてより深く学びたい」ということで、レッスンを始めました。息子さんがお二人いらっしゃいます。 初回のレッスンから素晴らしい演奏をなさっていらして、バッハコンクールの本選大会へ出場することになり、それに向けて練習中ということでした。 渋谷区にある白寿ホールにあるコンサートグランドピアノで演奏できる機会も大きな目標となりました。普段練習しているお部屋でも、本番に演奏する大きなホールをイメージすることにより、音の鳴らし方が変わってきます。 また、より深く和声が響くためにはどの様に耳を使うのか、腕を脱力するのか、演奏のみならず楽譜の分析もしていきました。本番に向けて、より深い見地から演奏なさり、見事銀賞を受賞致しました。本当におめでとうございました。
http://www.piano.or.jp/compe/news/2015/11/24_20493.html バッハコンクール ホームページ
山口さんは、その後も「イタリア協奏曲」に取り組み、特にこの曲はバッハが二段鍵盤の為に作曲したことから、チェンバロを弾いてみませんかとご提案したところ、是非、体験してみたいということで、チェンバロのレッスン&チェンバロの発表会でも演奏して頂きました。 私自身、アメリカで習った先生のスタジオにはオルガン、チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ(古いピアノ)、ピアノが20台ほど所狭しと並んでいて、バッハはチェンバロで、モーツァルトは5オクターブのフォルテピアノで弾いてレッスンを受ける貴重な機会を頂きました。その体験から、まさに鍵盤音楽史を実感し、多くの発見がありました。できるだけ、多くの方に同様の体験をして頂きたいと思っています。現在山口さんは、ハイドンの変奏曲を次のピアノ発表会へ向けて練習中ですが、バロック時代の音楽をチェンバロで演奏した経験を生かし、クラシック時代のハイドンの作曲に取り組んでいらっしゃいます。
② 山本 明日美さん(J-city Tokyo Cembalo Pleasure大人の部 準グランプリ)
山本さんは、2年前よりチェンバロレッスンにいらしています。もともとピアノもお上手なことから、去年のピアノ発表会ではブラームスの間奏曲を演奏して下さいました。 普段は会社勤務なさっていますが、音楽に対して真摯に向き合っていらっしゃいます。
今年は新たにチェンバロでフランス音楽のラモーの名作イ短調組曲を全曲勉強しました。その中からガヴォットとドゥーブル(変奏曲)はとても華やかな有名な曲ですが、チェンバロ発表会でも見事な演奏を披露して下さいました。また、同組曲のアルマンドークーラントーサラバンドは10月にフランスより来日なさったジョスリーヌ・キュイエ先生の公開レッスンでご指導頂き、テンポ感などもバロックダンスを踊った経験が生きていて、音楽的センスもとても良いと褒められていました。
10月末に行われたJ-city Tokyo Cembalo Pleasureでこのラモーのガヴォットを演奏なさり、見事に準グランプリを受賞されました。チェンバロを習い人前で演奏し、認めて頂くことにより自信が生まれる機会になったようで、とても良かったと思います。来年は、ヨーロッパへ旅行してレッスンを受けてみたいとお考えの様で、是非本場の空気を楽しんで頂きたいと思います。
③木村 浩子ちゃん(高2、英検2級合格)
高校生の浩子ちゃんは、2年前に1からピアノを勉強し始めましたが、英語も勉強したいうことで、1時間の半分を英語、半分をピアノレッスンしました。
残念なことに、日本の中学、高校の英語の授業では、発音を直す時間があまりないようです。その為、日本人的なアクセントの英語になってしまうことが多々あります。
浩子ちゃんが高校受験をした時には“家にいるより塾に居る時間の方が長かった“そうで、難しい単語や熟語は勉強しているのに、リスニング、スピーキングが苦手の様でした。また、F, V, R,L,thの発音を何度も口の形に気を付けて練習し、その違いを耳で聞き取り、ネィティブに近い発音へ直していきました。 2次試験の面接を想定して、自己紹介やYes,Noですぐに自分の考えを英語で話せるようにスピーキングの練習も行いました。
リスニングの為に、ネィティブのアメリカ人が速いナチュラルスピードで話しているのを聞き、次に少しゆっくりのスピードで読んでいるのを聞きながら、CDに合わせてシャドーリーデイング(同時に話していく)をしました。また、聞いた内容を自分で英作して説明することや、内容について私が英語で質問し、浩子さんに英語で答えて貰うスピーキングも1年以上行いました。 すると、自然に発音やイントネーションも良くなり、文章内容の理解力も上がりました。
本1冊を終えた頃に学校で英検2級を受験したところ、クラスで唯一1人合格したのでした。本人が一番驚いていたのは、苦手だったリスニングの点数が一番良く、本人が信じられないという感じでした。
浩子さんのレッスンを通して、一度見についた日本語的な英語発音も、改善されることが分かりました。そして、浩子さんご自身の表情が明るくなり、英語に対して苦手意識が自信へと変わり、今後の大学受験や将来に大いに役立つのではないかと期待しています。
④井上 花歌ちゃん(小4、英検2級合格)
きらきら星変奏曲が仕上がってきたので、モーツァルトも幼少の時に弾いていたチェンバロで体験!
井上さんは、1年ほど前にピアノの先生を探しているということで、いらっしゃいました。3年間ルクセンブルク公国に滞在した帰国子女の女の子です。初めてソナチネの演奏を聞かせて頂いた時、感性が伸び伸びと広がり、自然な演奏がとても印象的でした。なぜか日本の教育でこの様な感性を持ったお子様は少ないのが現状です。
私自身も小学校―大学まで日本でピアノの基礎を勉強した後に、欧米の音楽教育を受けましたが、多国籍のピアニストの様々な演奏を聞き、日本で良しとされていた常識をあっという間に壊され衝撃を受けました。所謂きちんと弾く、型にはまったような演奏だけでなく、欧米では幼少の頃から、いかに個性を伸ばし表現するか、演奏を楽しむかということを重視した教育を受けます。私自身、アメリカ人の先生のもと自由な音楽を学びました。
その為、すぐに井上さんは素晴らしい感性をお持ちだということが分かりました。自分のペースで譜読みや宿題を薦め、音が手に入るとすぐに弾けてしまいます。ピアノだけでなく、せっかく身に付けた英語力も帰国して使う機会が減ってきていることから、勉強したいということで、英語とピアノのレッスンをしています。
すでに英検準2級に合格しているということで、英検2級に取り組むことになりました。高校3年生までの範囲のため、和訳や単語の意味を調べても漢字が難しく、小学生の井上さんには読めないものも多くありました。 その為、レッスンでは難しい英語の単語を英語でかみ砕いて説明していきました。英英辞典で調べると、和訳よりも英語のニュアンスで理解できるのが利点です。 例えば、grief (深い悲しみ)は、 extreme sadness, especially because someone you love has died (特に、愛する人の死に接した時の悲しみ)と英英辞典に書いてあります。sad (悲しい)よりも深い悲しみの時に使う表現だということが分かります。
井上さんは、リスニング&スピーキングは素晴らしく問題ありませんでしたが、難しい単語を覚えていかなければならず、前出の木村さんとは全く反対の対策で取り組んでいきました。英語的な感覚は外国暮らしで培っている為、単語が分からない場合でも、文章全体のイメージや意味を捉えることができます。 アルク社のキクタンのシリーズは、小学生英語、中学生英語、英検、英語のみならずフランス語やドイツ語も出ていますが、CDを聞くと単語を英文⇒和訳を両方言ってくれるため、聞いている間に耳から自然に単語を覚えていくことができます。 勉強を始めて4ヶ月後に受けた時の分析結果は、まだ語彙力の点数が足りていませんでしたが、上記のレッスンを続けた結果、7か月後に見事合格しました。
現在では、難しい文法をルクセンブルクで習う前に帰国してしまったということで、Cambridge expressから出版されているEnglish Grammer in useで仮定法、助動詞、過去完了(if,should could,wish,had known)などを勉強中です。この文法書は英語のバイブルの様なベストセラーで、私自身高校生の時に1カ月イギリスへ語学留学した際にも勉強した本です。母、兄も皆勉強しました。全て英語で書かれているので、英語を英語で理解する能力が自然に身付きます。一度英文法を勉強した大人の方の復習用教材としても、根強い人気です。文法の基礎を復習&予習することで、使える本当の英語力を養っていけると思います。今後がとても楽しみです。
また、ピアノではソナチネの後、頑張ってきらきら星変奏曲を10ヶ月かけて全曲勉強し、現在はショパンの子犬のワルツを次の発表会へ向けて練習中です。
その他、多くの生徒さんがそれぞれのペースで頑張っていらっしゃいます。