浜離宮朝日ホールにて第5回チェンバロフェスティバルが終了しました。
The 5th Cembalo fesitival has finished! (ligeti concert ,lecture and kids lesson)
芸術監督の曽根麻矢子さんを始め、野澤知子さん、渡邊先生など皆様の素晴らしい演奏&集中力&本番への準備を拝見させて頂き、貴重な経験となりました。また、多くのスタッフの皆様のお蔭で無事に終了しましたこと、心より御礼申し上げます。
3日間続けてお越し頂いたチェンバロ好きな方、生徒さんにも感謝申し上げます。
舞台には5台ものチェンバロが用意され、演奏曲目によりイタリアン、ジャーマン、フランス様式のチェンバロが使用されました。異なる楽器の音色を聞けるのも魅力の一つですね。
大理石のホールロビー階段はヨーロッパのような美しい響きでした。
レクチャーに聞きに来て下さったチェンバロ奏者、桐朋学園大学でお世話になった有田千代子先生(右)とフォルテピアニストで音教時代から一緒の平井千絵ちゃんと。
また、「バッハ:パルテイータ」の公開レクチャーでは、バッハが幼少期から写譜をして影響を受けた作曲家(ヴィヴァルデイ、フレスコバルデイ、ダングルベール、デユパールなど)を調べて良い勉強になりました。
子供のチェンバロ教室では藤田理央ちゃんが野澤先生のレッスンを受け、佐藤春空君はインベンションを弾いてくれました。 ピアノよりも鍵盤の軽いチェンバロを「弾きやすい」とトリルも上手く弾いていました。今後バロック音楽を弾く際に、チェンバロのイメージが膨らむと良いですね。
曽根麻矢子さんの愛器David Leyの素晴らしい楽器で演奏させて頂き大変幸せでした。
第5回のフェステイバルでは、手の交差をして演奏するフランソワ・クープランの「ティク・タク・ショック」と現代曲のリゲティの「Continuum」というPrestissimo (最も早く&4分以内に弾くという作曲家の指示あり)を演奏させて頂きました。この2つの曲は分散和音で作曲されている点で類似点があることから、セットで演奏させて頂きました。
「Continuum」はPrestissimo (最も早いテンポで演奏&4分以内に弾くという作曲家の指示あり)は楽譜を目で終えないほど速く、練習方法も色々と悩まされました。あまりに難しいのです。
譜読みを始めたものの、微妙にリズムが3:4 が3:5, 3:6⇒4:5⇒5:6….の様に片手のリズムと音がずれ続けていきます。
急に上手になる魔法はなく。。。
片手ずつゆっくり何回も練習、メトロノームに合わせて少しずつテンポを上げて行きました。
実際に演奏したことのあるチェンバリストより、弾けなくても良いから本番のテンポでも弾いておいた方が良い。
とのことで、無謀にも!?高速で弾くと腱鞘炎になりそうになり・・・
ストップ!
また、メトロノームとゆっくりなテンポで再開。そして、片手ずつ高速で弾けるようにしても両手を合すと楽譜に書いている音との中から一定のリズムでドードードと音が浮かび上がって聞こえてきたり・・・
今までに取り組んだことのない曲でした。
そして迎えた本番。清水の舞台から飛び降りる!?覚悟でステージへ。
18世紀のF.クープランの音楽がとても平和に聞こえ、歌えるテンポでゆったりめに演奏し終えました。
腕を脱力し、極力無駄のない「最小の動きで最大の効果を」というのは理想ですが、構想の場合は自然に動作がミニマムになります。そして、気が付いた時は最後の2ページ、4フィートのみで演奏している高音の世界は、まるで真空管の中に入ってしまったような・・・
とてつもない緊張感の後に宇宙の無重力状態にワープしてしまったような・・・
不思議な集中状態にありました。そして、気が付けば終わっていました。
私にとっても大変貴重な機会と経験になりました。フランス人のチェンバリストでアンコールにさらっと弾いてしまう方もいらっしゃるようです。そこまで自分のレパートリーになるかは分かりませんが、生涯に1度、いやここまで大変な思いをしたのでまた機会があれば演奏させて頂きたいと思います。
が、暫くおやすみ・・・