Kay Music Academy

〜子供から大人のためのピアノとチェンバロレッスン〜

春のフランス/Le printemps en France

朝日の中のシャルトル大聖堂

皆様、こんにちは。
やっと春嵐!?も去り、ポカポカ陽気になりましたね。
去年の今頃は、コンサートの為にパリへ3週間ほど滞在していました。

半年ぶりのパリの街を散歩したり、オリジナルのチェンバロを博物館へ見に行ったり、とても有意義な時間でした。
偶然にも、私のバッハ:ゴルトベルク変奏曲のCDがフランス国営ラジオで放送された日は、耳を澄まして、フランス語で何と紹介されているのか?、そして自分の演奏が紹介されるのを、ドキドキしながら聞いていました。


また、18世紀のチェンバロを弾かせて頂く為に、北フランスのシャルトルへ電車に1時間乗って行きました。


世界的に有名なシャルトル大聖堂のステンドグラスには、圧巻でした。
デザインや聖書の色々な場面が、細やかな色彩感と共に表現されています。

ヨーロッパでは、宗教と共に教会音楽も発展し、オルガンは古く昔から天に地上の声を伝える楽器として愛用されてきました。


ばら窓。ノートルダムのばら窓は濃いブルーが基調ですが、また違った趣ですね。


外から差し込む光で、とても綺麗です


外から見た大聖堂。ちょうど左側がバラ窓です。

あまりに高くてカメラ内に映りません


ファッサード

彫刻の1つ1つに職人さんの魂がこもっています

大聖堂の裏には、素敵なお庭、そして楽器博物館があります。


個人所有の18世紀のチェンバロが保管されています。この日は閉館日で特別に試奏させて頂きました。

チェンバロを弾いていて、ふと見上げたらこの部屋に、1811年6月2-4日までナポレオンと奥様のマリールイーズさんが滞在していたということです。まあ!何と!!
と1人で驚きながら、チェンバロの音に耳を傾けていました。天井も高く、素晴らしい響きがします。

日本は湿気が高い為、音が空気中に響きにくいのですが、乾燥しているヨーロッパで石作りや教会の10メートル以上の天井の中では、音が自然に伸びていきます。

チェンバロは1台1台装飾、タッチ、音色も全て違うオーダーメードの楽器です。

鍵盤にも金箔が貼られています。黒鍵の金箔はちょっと剥がれていますね。ラ#だけついてますが、あまり使わなかったのでしょうか?(笑)

響板の中にも素敵な絵が描かれています。こでも、1台1台全てハンドメイドです。
現代のチェンバロも専門の装飾画家が、フランス式、ドイツ式、フレミッシュ式、イタリア式チェンバロに合わせて違うスタイルの装飾を描きます。

楽器の構造やボディのライン、音色、足台なども全て各様式によって異なるのは、アンテイーク家具と似ています。

窓から見える庭園。全て計算されて美しく設計されていますね。

ノルマンディー地方の典型的な木組みの家。可愛いですね。

パリへTGV高速列車で戻ると、八重桜が満開でした。パリの桜は、ほとんどが濃いピンクで、私は薄いピンクの方が日本らしいなと思いますが、皆様はいかがでしょうか。

ここはどこ?
と思う様な、素敵な雰囲気。

5つ星の由緒ある”プラザ・アテネ”のホテルで、贅沢なサロンコンサートで演奏させて頂きました。


”Le salon de Marie Antoinette マリーアントワネットのサロン”でコンサート。

こじんまりとして20名ほどのサロン形式。昔は、こんな風にヴェルサイユ宮殿で、王侯貴族と親しい友人でチェンバロを楽しんだのではないでしょうか。

コンサート終演後。

5月7日の東京リサイタルで演奏して頂く、ラファエル・ピドゥ―氏と。

今となっては笑い話ですが、 ホテルは世界中のお金持ちのお客様という感じで、私がロビーで担当者をお待ちしていたら、明らかに客層と違ったらしく(!!)コンシェルジュの方がいらして、

“Qu`est ce que desirez-vous?” 何のご用件ですか?
とわざわざ聞きに来ました。(笑)
“Je vas jouer le concert ce soir…” 今晩のコンサートで演奏するのですが…

とお伝えしたら、やっと
“Entendu madame.Attendez-ici,s`il vous plait” 分かりました。ここでお待ち下さい。
と言われ、居る事を許され?

担当者も私の目の前のレセプションにずっと立って待っていたのですが、私=音楽家と分からなかった様で、どこの小娘?と思われていたようです。(苦笑)

夜のコンサートでしたので、宿泊させて頂いたのですが、こんなに素晴しいお部屋は一生に何回泊まれるでしょうか?聞いたら1泊30万だったそうです・・・

こんなことは、さすがにパリでもリッツホテルやプラザなど限られた超高級ホテルでしたか、体験しないお高い感じですが、翌日会った友人に”1つ星の素朴で庶民的なホテルの方が親近感が湧くね”と話したら、笑っていました。

プラザ・アテネはエッフェル塔からセーヌ川を渡ったところなので、絶景です。

その後、パリ中心のシャトレ劇場のフォアイエにて、2枚のCDリリース記念コンサートが行われました。

ソロでバッハ:ゴルトベルク変奏曲を演奏しました。

ラファエル・ピドゥー氏(右側のチェロ)とパスカル・ジョパール女史(左側のチェロ)と、トリオも演奏しました。

無事にコンサートを終えて、帰国しました。例え3日でも、パリの街を歩いているとすぐに住んでいた感覚に戻り、鼻歌を歌いながら歩いている自分に気が付きます。

道路は犬の落し物だらけで、ゴミも散らかっているし、フランス人も自己中心的な人たちも多い・・・

けれども、セーヌ川を見たくなって橋に向かいたくなります。そして、クープランファミリーがオルガ二ストとして活躍していたサン・ジェルヴェ教会を訪れたりしているうちに、すっかりパリに魅了されている自分がいます。

本当に不思議な町ですね。

アメリカーオランダーフランスと3カ国渡り歩き、一番苦労し、大変だったパリですが、今となっては旧友の様に、苦楽を全てひっくり返して、懐かしい場所です。また7月に訪れるまで、レッスンとコンサートの練習の毎日です!

こうして写真を見るだけで、元気を貰いますね。

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