Kay Music Academy

〜子供から大人のためのピアノとチェンバロレッスン〜

消しゴム練習法&練習ノート

発表会へ向けて、毎日の練習をどの様にして行けば効果的なのでしょうか。

お子様の生徒さんのお母様より寄せられるご相談の中に
【あまり練習しないのですが・・・】

4,5歳の生徒さんのお母様は、皆様言っても反抗して全然言う事を聞いてくれない。練習しない。とお困りの様です。

【練習しなさい!】と先生やお母様に言われてばかりだと、練習嫌いになってしまい、毎日の練習が苦痛になり、ピアノが嫌になってしまいます。

私自身、小学1年生から大学4年生までピアノの練習をしなければ外出はできず、いつも見えない鎖でピアノと繋がれていました。週末に出かけたくても、ピアノの練習をしなければ母も私もどこにも行けませんでした。そんな苦痛のイメージではなく、毎日の歯磨きの様に気軽に、楽しくピアノに接して貰いたいというのが、私の願いです。

私自身、小学生の時にピアノの先生に薦められて【練習ノート】を書いていました。

生徒さんにお勧めする時は、好きなノートで好きなように書く。練習したら1行でも良いので書くことをお伝えしています。

すると、一人一人好きなように伸び伸びと書いてくれます。レッスンで一緒に前回のレッスンからどの様に練習をしたの確認をしてシールを張ります。これが良い励みとなり、続けようと思うのです。

一緒に数か月前の記録を振り返ると、自分の上達に生徒さん自身が気が付きます。書いている内容もよりしっかりと部分練習をしていたり、自己分析を始めています。

気が付けば改善されますので、認識する1つの方法として、とても良いです。3つの例です。

n2 n1

①6歳のRちゃん:4カ月位前より位始めました。練習した日には、音符のスタンプに手帳に押します。

2/8  前半のリピートしてからの”シドシラドラソを間違える。

2/9  Menuetの後半の飛ぶところ。むずかしい。

2/10 メヌエットMenuetかんぺき2回できた。

2/15 まちがえなかったけど、テンポがばらばら。

レッスンで注意された内容を気を付けて練習をしているのが分かります。家での練習が分かると、次のレッスンで更に先の音楽的な内容などに取り組み事ができますので、レッスン時間も有意義に使えます。

n3

②小学2年生Mちゃん:練習ノートを始めて1冊終わりました!ご褒美にピアノの消しゴムをプレゼント。手が上下にガタガタしてしまうと、綺麗にレガートできません。そんな時は、消しゴムを手の上にのせて落ちない様に練習してみます。あら不思議! きれいにレガートで弾けるようになります。

あまりやり過ぎてもいけませんが、手の甲を安定して弾くのに、子供たちはゲーム感覚で面白がって練習してくれます。実際に、すぐに綺麗に弾けるようになります。

 

n5    n4 n6

③小学3年生N君:憧れの【エリーゼのために】を挑戦!

半年かけて、難しい名曲を上手に発表会で演奏することができました。その為には、コツコツと毎回レッスンでの積み重ねと練習があります。

テーマは【ミレミレミシレドラー】と皆様お馴染みですが、良く見ると6回出てくる時に、何拍目からスタートしているのか、また1音のみアウフタクトなのか、3音あるのか、ベートーベンはきちんと違いを書いています。なかなか覚えれません。その為、あんぷをする為にも書き出して地図の様に頭の中で明確に理解することで、演奏する時に間違えません。

練習ノートに①-⑥のちがいを書く宿題をした後には、あんぷのミスも減り、呼吸感、どこが1泊目なのかもよく分かる様になりました。N君も練習ノートを始めて1年が経ち、もうすぐ1冊終わりそうです。1年前に何を弾いていたか振り返ってみると、N君自身、【こんなに簡単な曲弾いてたんだ。】と自分の上達を認識することができます。

発表会から2回前のレッスンでは随分仕上がってきましたが、最後に客観的に自分の演奏を聴いて注意点を見つけることが大事だと考え、家で録音をして聞いてみることをお勧めしました。

翌週の練習ノートにはきちんと自己分析ができていて、演奏も良くなりました。

ゆっくりの練習を本番前日までやる重要さをお伝えした所、本番ではいつもよりも緊張した高ぶりでテンポが全体的に早くなりましたが、大変素晴らしい演奏でした。いつも早くばかり弾いていたら、本番でぐちゃぐちゃになってしまうことも多いですが、日々の練習を着実にやっておけばテンポが速くなっても対応ができます。

結果的にN君は、この半年間で飛躍的に上手になり、本番で一番良い素晴らしい演奏ができました。

それも、この練習ノートの支えがあったからではないかと思います。来年はどんな曲を弾くのか今から楽しみです。

ポジテイブにできるようになった!

上手になった!

自分を褒めてあげる事も、練習ノートの大事なポイントです。自然に自信が持てるようになり、自己分析、自己管理が出来るようになるからです。

IMG_3826

N君のノートから———————注意点ばかりでなく、赤文字は良い所をきちんと自分で理解することも大事です。

録音してわかったこと

はじめ

A (テーマ) ペダルをのばしすぎた。

B シドレミーソファミレーファミレドーの所の最後(両手が)合っていない。

C  速いところが、速すぎてテンポと合っていない。

★ のところはちゃんと遅くなっていない(良いところ)←レッスンで遅くしては行けないと注意した部分の確認。

C すぐに音が大きくなっている←p(小さく)で弾いた方が良いところ

★ 5と4の指はちゃんと出せている(良いところ)←メロデイーがよく聞こえているという意味。

休符の長さが違うはずなのに、同じになっている←気を付けるところ。

最後のAの部分

おそくなっていない(良いところ)

一番最後の所はちゃんと心をこめられている。

全部でテンポがほぼ一定。(Bの速いところでテンポがずれる)

はじめA(テーマ)がまだきれいじゃない。

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是非、皆様もやってみてはいかがでしょうか。

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