第3回バッハ公開講座が無事に終了致しました。
東京だけでなく、遠くは香港からも参加して頂き、【イタリア協奏曲】を演奏して頂き、チェンバロ奏法について具体的にお話しさせて頂きました。
チェンバロの音を鳴らしているジャックはこんなに小さいです!
皆様にも、弦を弾いている感じを体験して頂きました。
ピアノは叩いていますが、チェンバロは弾いている為、タッチや奏法も異なります。
この5日間、香港よりチェンバロレッスンの為に来日なさった生徒様にもご参加いただきました。
香港には、チェンバロの先生や講座、スタジオなどがないそうで、昨年12月に初めて東京にレッスンにお越しくださり、今週イースターのお休みを利用して、2回目の東京レッスンの為に来日なさいました。
数か月に1回しか来日できないということで、その間の補助的な意味で、メールでのレッスンを1-3月に行ってきました。
録音とスコア(楽譜に彼女の弾いている指使いやアーテイキュレーション)を記入してメールで送って頂き、それに対して、私がコメントをし、Exlsファイルに各小節ごとの注意点をまとめ、再度彼女が訂正をして、方向性があっているのか確認していくという作業です。
これは、昨年私がバッハのCDの編集作業を、パリのエンジニアと行い、1音1音に至るまで協議していった経験をもとに思いつきました。距離というものは縮めることができないけれど、テクノロジーを駆使して作業することもできると学んだからです。
インベンションの1-8番までを1月ー3月に行ってきましたが、同じ曲を2回目に録音して下さった際には、別人のように変化していて、大変驚きました。私自身、彼女とのメールレッスンをしながら、多くのことを学ばさせて頂いております。
勿論、目の前で手の形、奏法、音の鳴らし方を聞きながらレッスンできるのがベストですが、環境的に難しい場合は、色々な方法を取り入れることも1つの可能性ではないかと思います。
明日で5日目のレッスンが終わり、香港へ戻られますが、この5年間で学びたいレパートリー、10年後にはバッハ全曲を弾いてみたい・・・など高い志をお持ちの方で、今後が楽しみです。
チェンバロ奏法をご説明させて頂いた後に、それらをどのようにピアノ奏法に生かすのか?というデモンストレーションを行いました。
ピアノであれば、レガートで弾くけれど、チェンバロではレガートで弾いても表情が出ないので、細やかなアーテイキュレーションをする場所など、実際に弾き比べてみました。
ユーロピアノには、2段チェンバロ、スピネット、グランドピアノがある贅沢な環境の為、楽器の弾き比べなどもでき、皆様にも体験して頂ける機会になればと願っております。
4月21日(日)は、バッハ:インベンション1番ー4番をテーマに開催致します。
ピアニストの方、ピアノの先生、チェンバロにご興味のある方、お好きな方、お気軽にご参加下さいませ。
皆様、こんにちは。
梅の花が咲き、春らしくなってきましたね。
第6回 植山けいチェンバロリサイタル 5月7日(火)19時 伝承ホール (渋谷)
世界的なフランス人チェリスト、ラファエル・ピドゥ―氏と共にリサイタルを開催させて頂く運びとなりました。ピドゥー氏とバッハの名曲や、ヴィヴァルディ、デュポール、ロワイエの親しみやすいプログラムです。
パリでピドゥー氏と共に録音させて頂いた『デュポール:チェロソナタ集』は、チェロの豊かな響きと超絶技巧が高く評価され、レコード芸術【準特選盤】に選出されました。
植山 けい:
ロンドン生まれ、東京育ち。2004年Paolo Bernaldiチェンバロコンクール第2位(イタリア)。第19回国際古楽コンクール<山梨>チェンバロ部門第3位(日本)。
桐朋学園大学ピアノ科、アムステルダム音楽院チェンバロ科(オランダ)、欧米4カ国で研鑽を積む。現在パリと東京を中心にチェンバロ奏者として活躍中。
2012年15カ国でソロリリース『バッハ:ゴルトベルク変奏曲』をスイス・ノイシャテル博物館所蔵ヨハネス・ルッカース1632/1745で録音。フランス ディアパゾン・ドール賞、レコード芸術【特選盤】並びに朝日新聞推薦盤に選出された。また、デュポールのチェロソナタ集をラファエル・ピドゥー(チェロ)と世界初録音し、レコード芸術【準特選盤】に選出。Kay Music Academyにて後進の指導にもあたる。
ラファエル・ピドゥー:
TrioWonderer(トリオ・ワンデラ―)のメンバーとして世界的に活動し、シャ
ンゼリゼ劇場(パリ)、スカラ座(ミラノ)などに出演し、フランス国立管弦
楽団など数多くのオーケストラと共演。17歳でパリ国立高等音楽院へ入学し
1等賞で卒業。 1988年ARDミュンヘン国際コンクール入賞、バッハコンクール3位受賞。
これまで数々の録音よりレコード大賞、デイアパゾン・ドール賞を受賞。
2009年パリ・オペラ座にてカダー ル・ベラルビとヌレエフの振付による【バッハ:無伴奏組曲】で特別出演した。現在パリ地方音楽院で教便を取り、ゴフレッド・カッパ制作(サルッツォ1680年)のチェロを使用している。
渋谷駅から徒歩5分の大変便利な350名収容のホールです。恵比寿や代官山から『ハチ公バス』の夕やけ小やけルートもあり、恵比寿ガーデンプレイスの前より15分ほどで到着致します。
Kay`s Cembalo Club (KCC) のメンバー募集中
チェンバロをより多くの方に親しんで頂く為に、色々な活動に励んで参りたいと思います。チェンバロや音楽がお好きな方、興味のある方、お気軽にご登録下さいませ。
メンバー登録は無料で、チケット料金割引、先行予約などのサービスがございます。
お申込みと同時に、KCCメンバー会員ご登録ご希望の方は、チケット割引を適応させて頂きます。(5月7日3,600円、
どうぞ皆様、ゴールデンウィーク明けのイベントとして、是非ご家族やお友達とコンサートへお出かけ下さいませ。
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
満開の桜も段々と葉桜になってきました。はらはらと桜の花びらが散る姿は、本当に美しいですね。
3月23日(土)4人の響きコンサートが無事に終了致しました。
わざわざ、遠くからお越し下さいました方がたに、心より御礼申し上げます。
今回は、留学時代を共にし、日本でも活躍している仲間と、バロックを盛り立てよう!とイタリアとフランスをテーマに企画・開催をさせて頂きました。
1つのコンサートでチェンバリスト3人+バロックチェロ1人という編成で、ソロチェンバロ、チェロのDuo、そして2台チェンバロもお楽しみ頂ける盛り沢山な内容でお届けさせて頂きました。今回の経験を生かして、次回に続けていきたいと願っております。
とても嬉しかったのは、10年前にボストンでピアノを教えて頂いた恩師、Victor Rosenbaum氏が駆けつけてくれました。翌日にはボストンへ戻られました。
また、いつもコンサートへ来て頂ける小学校の先生や生徒様達にも感謝です。
本当に多くの皆様にお越し頂き、感謝です。
どうぞ、今後も宜しくお願いいたします。
この度、3月にイタリアとフランスで私と同時期に留学し、帰国している仲間とコンサートを開く事になりました。
1つのコンサートで4人のアーテイストを聞ける楽しいプログラムをご用意しています。
チェンバロを初めて聞いてみたい方、珍しい曲を聞いてみたい方、アンサンブルやバロックがお好きな方、皆様お誘い合わせ上、お気軽にお越しください。
当日は、チェロとチェンバロ、チェンバロソロ、2台チェンバロなど様々なアンサンブルをお聞きいただけます。
お申込みは、www.kayueyama.comページかこちらのお申込みフォームからもお申込み頂けます。
~イタリア・フランスで活躍している日本人演奏家4人によるコンサート~
4人の響き 2013年3月23日(土)
場所:古楽研究会Space 1F 自由席:3500円
昼公演:(開場13時30分)開演14時
夜公演:(開場18時30分)開演19時
前半:『ナポリ・バロック』 渡邊 孝&懸田 貴嗣
ランゼッティ&ポルポラ:チェロソナタ、A.スカルラッティ:トッカータ イ長調ほか
後半:『クープランFamily』 野澤 知子&植山 けい
ルイ・クープラン:組曲ニ調、 アルマン=ルイ・クープラン:La Chéron
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集 第9オルドルより2台の為のプレリュードほか
渡邊 孝: 山梨・古楽コンクールチェンバロ部門最高位、栃木《蔵の街》音楽祭賞を受賞。2001年2004年ブルージュ国際古楽コンクール・チェンバ部門にてディプロマ受賞。ボンポルティ国際古楽コンクールにて第1位、また聴衆賞、 オーストリア国営放送録音賞を受賞。2012年J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲、レコード芸術特選盤に選出。Ricreation d’Arcadiaメンバー。http://darcadia.blogspot.jp/
懸田 貴嗣: 2007年度文化庁在外派遣研修員。2012年9月に「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131)をリリース、音楽の友、CDジャーナル等で話題となり、平成24年度(第67回)文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。国内外の主要オーケストラと共演、録音。 http://lanzetti.exblog.jp/
野澤 知子: 東京藝術大学古楽科にてアカンサス賞、安宅賞を受賞。第17回山梨古楽コンクール第1位。きのくに芸術新人賞を受賞。ブリュージュ国際コンクール ディプロマ賞。フランスクラヴサン協会より、若手活躍する演奏家として選ばれる。文化庁芸術家在外研修員。 http://fayette.exblog.jp/
植山けい:。2004年Paolo Bernaldiチェンバロコンクール第2位受賞。2012年バッハ:ゴルトべルグ変奏曲をリリースし、フランスDiapasonD`or賞、レコード芸術特選盤、朝日新聞推薦盤に選出し、ラジオフランスで放送。東京とパリで演奏活動、Kay Music Academyを創立。 http://www.kayueyama.com/
お問合せ&お申込み先:www.kayueyama.com
電話&Fax 03-6304-6966
♪会場所在地:古楽研究会 Space 1F・
東京都板橋区中丸町10-1 古楽研究会ビル1F 有楽町線 要町駅:3番出口 山手通り沿い徒歩9分
想楽舎 TEL.03-3530-7280
http://www.space1f.com
第3回バッハ講座は、第2回の『イタリア協奏曲』が満席となりました為、再度同じテーマで開催予定でございます。
第3回目は、公開レッスン形式で3名様の方にピアノかチェンバロのお好きな楽器で『イタリア協奏曲』を演奏して頂きます。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
チェンバロとピアノでバッハをどう弾くの?
公開講座 講師:植山 けい
2013年3月31日(日)14:00-15:30 場所:ユーロピアノ
会場:ユーロピアノ TEL:03-3305-1211 FAX:03-3305-9931
〒157-0061東京都世田谷区北烏山9-2-1
京王線・千歳烏山
行き方はユーロピアノのサイトよりご覧頂けます。
←ここをクリック
参加費:学生:500円 一般:1,000円
♪チェンバロからピアノまでどの様に楽器は発展したの?
♪チェンバロとピアノでバッハを弾き比べてみましょう!
♪『イタリア協奏曲』を楽しくチェンバロで演奏してみましょう。
♪バッハの親しんでいたチェンバロを知ると、より深い理解でピアノも演奏できます。
♪お子様、学生、チェンバロ初心者、ピアニストの皆様にお気軽にご参加頂けます。
限定20名のスペースですので、お早目にお申込み下さいませ。
皆様、こんにちは。
第2回バッハ公開講座【イタリア協奏曲】へ、わざわざ遠い愛知県や東京各地より、お越し頂き、誠にありがとうございました。
小学生のピアノ生徒様~大人のピアノ生徒様、チェンバリストの方までお越し頂き、色々な観点よりピアノとチェンバロでどの様にバッハを弾くかという内容で説明・実演をさせて頂きました。
ピアノのレッスンでは、普段説明をする時間がなかなか無い、【チェンバロからピアノまでの楽器の発展】や、それに伴い【どの様に奏法が変化していったのか】、また【楽器の機能の違いからテクニックがどの様に異なるのか】、『イタリア協奏曲』を例に取り上げ、実演させて頂きました。
私自身が、同じ【イタリア協奏曲】を目の前にしても、ピアノで弾く場合、そしてチェンバロで弾く場合では、出てくるアイディアが異なります。
それは、ピアノ・チェンバがより美しく響く方法がそれぞれ異なるからです。
一言で説明するならば、チェンバロは【語る】、ピアノは【歌う】奏法が必要となります。
チェンバロで【語る】為には、指先のアーティキュレーションが、大変重要となります。
演説する政治家や演劇の俳優の様に、はっきりと発音をする為には、言葉の前後に小さな『間 silence』を入れたり、発音を明確にしなければ、多くの方や遠くへ伝わりません。
ピアノで【歌う】為には、指だけでなく、手の甲、手首、腕を脱力することにより、自然なレガートで演奏する事が多くなります。
昨日は、実際にチェンバロタッチでピアノを弾いた場合を実演し、細かいアーテイキュレーションでピアノを弾くと、細切れに聞こえてしまい、ピアノには相応しくありませんでした。その為、よりピアノに適した奏法で弾き、聞き比べていただきました。
また、ピアノでペダルを沢山使用し、全てレガートで弾いた場合は、全てが平らに聞こえてしまい、だらしない印象になります。
そこで、イタリア協奏曲をチェンバロで演奏した場合の【アーテイキュレーション】をはっきりとした奏法や、バスの低音をオーケストラのチェロをイメージした場合の切りめのバスラインなどを、ピアノ演奏にも取り入れて演奏しました。
チェンバロやバッハのオーケストラ曲をイメージして、ピアノで演奏すると、より生き生きとしてきます。
上記のように、ピアノとチェンバロの違い。
また、チェンバロを知ることで、どの様にピアノ演奏にも生かせるのか。
を実演させて頂きました。
装飾音や歌い方においても、ピアノではあまり極端なことをすることは少ないのですが、チェンバロ主流のバロック時代では、即興演奏はごく普通に行われていました。
【イタリア協奏曲】第2楽章の様に、バスラインはテンポ通り弾いて、右手のメロディーはイタリアのアリアの歌手のように自由に旋律を歌う事も、チェンバリストの方がピアニストよりも自由に表現していると思います。それは、ピアノレッスンでは、その様な自由が歴史的背景からも許されるということを知らない為、拍どおりに真面目に弾く傾向になっているのではないかと思います。
バスと常に拍が常に合っていなくても、きちんとフレーズの始めや最後、カデンツァなどの重要な場所が一致していれば、自由に歌って良いスタイルです。それは、まるで通奏低音者のチェロやチェンバロと、歌手のアンサンブルと同じで、バスラインがメロデイーを束縛することはありません。
歌手が時間を取ったり、先へ進んでも、一定のバスが常に『軸』となってぶれない範囲であれば、自由にメロデイーを歌ったほうが、美しく聞こえます。
一般にピアノでバッハを習う時は、【バッハだから真面目に】とか【スタイルに沿って】と堅苦しい印象があると思います。
しかし、よくよくバッハの楽譜を見てみると、多くのウィットに富んだアイデイアが散りばめられており、その秘密を読み説いていくのは、演奏者自身です。
演奏者の観点『バッハ=真面目』→聞き手 バッハ=真面目な印象
演奏者の観点『バッハ=色々なアィデアの宝庫』→聞き手 バッハ=新しい発見
となるかも知れません。
同じ楽譜を楽しく、退屈に、そしてピアノ、チェンバロで演奏するのも演奏者の自由です。
楽譜にフォルテ(強い)・ピアノ(弱い)と記載されていなくても、和声進行を分析していくと、緊張感のある属七や5度のドミナントの和音の部分や、同じ和声進行が繰り返されているゼクエンツ、解決したときの安堵感など、十分に色とりどりのカラーがあります。
それを感じれるようになれば、チェンバロやピアノ他の楽器でも演奏がより深くなり、説得力が出てきます。
3月以降は、公開レッスン形式で実際に演奏をして頂く生徒様を募集させて頂きます。
3月31日(日)14時~【イタリア協奏曲】実践編や4月以降から始まる【インベンション】シリーズで演奏をなさりたい方は、是非奮ってご応募下さいませ。
今後も、皆様と一緒にチェンバロとピアノ体験をできる場を企画していきたいと思います。