金木犀の甘い香りが漂う季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今週末に13日(日)に、第五回バッハ公開講座を開催致します。
ピアノ、チェンバロ、バッハにご興味のある方は、実際にチェンバロを弾いてみれる機会ですにで、お気軽にお越し下さい。
ベルリン州立図書館に保管されている、1723年の手稿譜とベーレンライター、ヘンレ、ウイーン原典版などと共にインベンションを分析していきます。参加者の方による演奏も交えて、ピアノとチェンバロでの奏法の違いを見ていきましょう。
皆様にお目に掛かれますこと、楽しみにしております。
どうぞ、よろしくお願い致します。
第5回公開講座
チェンバロとピアノでバッハをどう弾くの?
10月13日(日)14:30-16:00
場所:アトリエ ソノ―ロ
講師:植山 けい
お問合せ&申し込み先:Tel (03)6277-1243
参加費:学生:1,000円 一般:2,500円
♪チェンバロからピアノまでどの様に楽器は発展したの?
♪チェンバロとピアノでバッハを弾き比べてみましょう!
♪『インベンション』を楽しくチェンバロで演奏してみましょう。
♪バッハの親しんでいたチェンバロを知ると、より深い理解でピアノも演奏できます。
♪お子様、学生、チェンバロ初心者、ピアニストの皆様にお気軽にご参加頂けます。
公開講座のお申し込みは→こちら

第5回バッハ講座は、インベンション 第3番-第4番をテーマで開催予定でございます。 ピアノかチェンバロのお好きな楽器で演奏をご希望の方、聴講の方、お気軽にご参加下さいませ。 皆様のご参加を心よりお待ちしております。
◆交通アクセスのご案内 〒160-0022 新宿区新宿2-8-1新宿セブンピル 603
地下鉄丸の内線「新宿御苑前」駅より、徒歩3分 都営新宿線「新宿三丁目」駅・ビッグス新宿ビル出口より徒歩10分

フランス中部からパリへTGVで戻り、楽器博物館へ行きました。
世界で有数なチェンバロのコレクションがあります。
この夏、パリで貴重なチェンバロを弾かせて頂きました。
1台1台個性、タッチ、音色、保存状態、そして楽器の持つ歴史が異なり、
大変興味深い経験となりました。
いつも演奏している17,18世紀当時の音を、今も聞くことができるというのは、奇跡のようですね。

Ruckers/Taskin 1646/1780

Couchet 1652、フランス国宝認定

Goujon/Swanen 1749/1784

Hemsch 1761
夢のような時間でした。

先日、銀座の王子ホールで行われた、浜野 範子さんのピアノリサイタルを聞きに行ってきました。
浜野さんは、プロのピアニストとして素晴らしいキャリアをお持ちで、大学の先生として指導もなさっています。
コンサートの前半はシューマン、後半はドビュッシーのプログラムでした。
シューマンらしい重厚感と構築感を持ちながらも、ロマンテイックな世界を堪能させて頂きました。
ドビュッシーは、フランスらしい軽やかな音色とタッチに、まるで違う世界へ連れて行かれました。

このピアノリサイタルの10日前には、関西でバッハのブランデンブルク協奏曲第五番のソリストとして、ドイツにシュトウットウガルト ゾリスデンと共演なさいました。
そんな浜野さんが、2月頃チェンバロレッスンへお越し下さいました。
浜野さんの様なプロのピアニストが、よりバッハやバロック音楽の追求のために、チェンバロを勉強してみたいということは、私にとっても大変光栄なことです。
浜野さんは、大変魅力的な人間性で、いつも楽しいお話に花が咲きます。
浜野さん曰く、”いい加減にかじったくらいでは、人前でバッハを演奏することはできない”
とおっしゃっていました。

冬から9月に向けて、チェンバロの中でも最も難曲とされるブランデンブルク協奏曲5番のチェンバロパートを、1ー3楽章までレッスンさせて頂きました。
私もパリ、スイス、南仏ツアーで演奏した思い出の曲です。
最終的には、浜野さんはコンサートでは、弾き慣れたピアノで演奏すると決断なさいましたが、レッスンではチェンバロで演奏して頂き、タッチやチェンバロ独特のアーテイキュレーション、バッハの自筆譜を見たり、他のオーケストラやフルート、ヴァイオリンのソロパートを私が横で弾いたりしながら、イメージを膨らませて行きました。
すでに、プロのピアニストとして素晴らしい音楽性と感性、経験をお持ちなので、それを生かした上でどの様にチェンバロを取り入れていくかという観点でコメントさせて頂きました。
あいにくコンサートは名古屋だった為、応援に駆けつけられませんでしたが、ドイツ人の楽団の方からもブラボーや素晴らしかったと大好評だったそうです。
浜野さんのようなベテランのピアニストの方とのレッスンは、私自身多くの刺激を受け、改めてピアノとチェンバロの奏法や表現の違いを考える貴重な機会となります。
10、11月も別のピアニストの生徒さん達のコンサートがあり、皆様、日々切磋琢磨しておられます。
毎回レッスンで、コンサートへ向けて真剣に取り組んでいます。
恵比寿教室オープン記念・新企画
忙しい方のための【3か月で名曲を弾こう!】
コースがスタートしました。
ご興味のある方、無料体験レッスンへお越し下さい。
ピアノを習いたいけれど、忙しくて定期的なレッスンが困難な方向けに、ご都合に合わせてレッスン日を決められるチケット制です。

【特典】
♪週末やアフター5など、ご都合に合わせて気軽に習える。
♪チケット制(6枚1組)なので、毎週決まった時間でなく、レッスン日を選べます。
♪週末、平日20時までレッスンをしていますので、アフター5にもレッスン可能です。
♪弾きたい曲を集中的に3ヶ月で仕上げれます。
【レッスン費用】
通常のレッスン価格よりも、チケット制でお得です。
初級・中級・上級によりレッスン代が異なりますので、無料体験レッスンへお越し下さい。
皆様のお申し込みを心よりお待ちしております。

ジョスリーヌ・キュイエ女史 チェンバロ マスタークラス
10月29日(火) 16:00-20:00
場所:アトリエ ソノ―ロ

昨年度に引き続き、フランス・ナント在住のチェンバリスト Jocelyne Cuiller(ジョスリーヌ・キュイエ)さんのマスタークラスを開催する運びとなりました。
テーマは、フランス音楽 (F.クープラン、ラモー、デュフリ)を中心に行います。
他の曲、通奏低音(アンサンブル)受講も可能ですので、お気軽にお問合せ下さい。
受講・聴講ご希望の方、奮ってご参加ください。
東京で本場のフランス音楽を学べる貴重な機会です。
受講料金 15,000円(1レッスン)
聴講料金 3,000円(4レッスンの間、出入り自由)
お問合せ&申し込み先:Tel (03)6277-1243
マスタークラスのお申し込みは→こちら
ジョスリーヌ・キュイエ(チェンバロ):
フランス・ナント市のコンセルバトワール・チェンバロ科と通奏低音科の教師を25年間務め、女史自身が結成したアンサンブルSTRADIVARIAの世界ツアーやフォルジュルネ祭などに参加。3枚のクラヴィコード録音でDiapason D`or他数々の賞を受賞し、C.P.Eバッハ、フランス音楽に定評がある。日本文学、日本語への見識も高く、定期的に来日している。

◆交通アクセスのご案内 〒160-0022 新宿区新宿2-8-1新宿セブンピル 603 地下鉄丸の内線「新宿御苑前」駅より、徒歩3分 都営新宿線「新宿三丁目」駅・ビッグス新宿ビル出口より徒歩10分
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Kay Music Academyがオープンして早くも1年が経ち、素晴しいピアノ・チェンバロの生徒様にお会いできることができ、心から感謝しています。
9月からは、新たに恵比須教室もOpenし、お子様~OLなど大人の皆様まで、気軽にピアノ&英語&フランス語の学べる場所になれば、大変嬉しく思います。
憧れの曲をより早く弾けるようになる為の、楽譜の読み方のコツ、短時間で効果Up↑の練習法などもご紹介する、講座なども開催したいと思っています。
随時、こちらのブログでお知らせ致しますので、皆様お気軽にご参加下さいませ。
どうぞ皆様宜しくお願いいたします。
お天気の良い日々が続いていますね。ゴールデンWeekに植えた、野菜もすくすくと育っています。
さて、ピアノの生徒様のサロンコンサートを、千歳烏山のピアノサロンで行いました。

3歳から60代の方まで、皆様好きな曲を弾いて頂き、普段のレッスンで学んだことを発表する、とても良い機会となりました。
また、小さなお子様は、他のお友達の演奏を聞いたりするのも、とても良い勉強になったようです。

3歳ー4歳のお子様は、まだ両手で弾けないことも多い為、一緒に連弾しました。
また、姉妹でレッスンに通われている生徒様は、一緒にチューリップを弾きながらみんなで歌ったり・・・
5歳以上になると、両手でも弾けるので数曲短い曲を弾いて貰いました。

小学校4年生以上になると、ソナチネやブルグミューラーなどもスラスラと綺麗に弾いています。バッハのインベンションもとてもよく弾けました!

小学5年生ではシューベルトの即興曲、そして大人の生徒様は、ショパンのノクターンや別れの曲、シューマンの飛翔やメンデルスゾーンの厳格なる変奏曲といった、大曲に挑みました。

こうして、気軽に人前で演奏をする機会を経験して慣れるということは、とても大事だと思います。
私自身、子供の頃から何百回と失敗を続けて、慣れて行きました。練習嫌いな私も、失敗から”やはり練習しないと間違えちゃう・・・”と体験して、
少しずつ自意識が芽生え、練習も増えて行ったと思います。
小1-大学4年までびっちり13年間日本の音楽教育を受けましたが、その後13年間にアメリカ、オランダ、フランス、ベルギーの音楽教育を受け、演奏活動を通して、音楽はスパルタ方式でやるものではなく、個性を伸び伸び生かして育てられるんだ!という大きな発見があありました。
私にとって、音楽とは競争ではありません。音楽とは、自分が伸び伸びと自分らしくいられるもの。
言葉では表現できない、見えない”感性”を表現できるものです。
見えないものを比べるというのは、そもそもおかしいと思います。しかし、この世の中ではコンクールで賞を取り、有名にならないと音楽家として生きていけないと考えがちです。
その5%以下の成功例にはまらなければ、プロになれないと、日本に居る時に感じました。
その後、海外に出て決してそうでないことを見ました。
百人いれば、性格も人生も、声も100通り違う様に、音楽との接し方も100通り違って良いのです。
そして、自分を信じるということ。自分の感性を信じて表現すること。
他人にどう思われようが、そんなことは気にしないで、自分の心を開けて、音を通して自然に表現すること。それで良いと思います。
それが、本当に”自分自身”である時、音が語り、その人にしか出せない”音楽”になっていると思います。
そして、人が喜び、共感してくれるのかもしれません。
より音楽に深く集中し、自己を見つめることが、人の心にも音を通してメッセージを届けれる事だと思います。
そんなことを、レッスンを通じて伝えていけたらと思います。
皆様、こんにちは。チェンバロ・ピアノ教室Kay Music Academyをオープンして約1年が経とうとしています。

この間に、日本各地、そして遠くは香港から生徒様がレッスンを受けに来てくださり、私も多くを学ぶ日々です。

6月に香港の生徒様が3日集中レッスンを受けに来るということから、日ごろ1人で練習をしていらっしゃるので、日本にいる他の生徒様もお誘いして、
みんなで交流できるサロンコンサートを企画しました。

これまでに、レッスンで学んだ曲から数曲ずつ弾いて頂きましたが、皆さんそれぞれに、達成感、そして今後の課題も見えたようで、有意義な時間となりました。

演奏の後にはイギリスの紅茶とケーキを美味しく頬張りながら、色々な楽しいお話しに花が咲き、生徒様との楽しい交流の場となりました。

また、クリスマス頃に冬のコンサートに向けて半年間、レッスンに励んで行きたいと思います。
1月には、ホールでの発表会もある為、12月には仕上げて、ゆっくりとお正月を過ごしてゆとりを持って迎えれたら良いと思います。
チェンバロを演奏してみたい方、バロック音楽が好きな方、皆様お気軽に無料体験レッスンも受付できますので、お問い合わせ欄より御連絡下さいませ。
皆様、こんばんは。 チェンバロリサイタルが無事に終了致しました。 本当に多くの方がたにご来場頂き、感謝の気持ちで一杯です。
チェロのラファエルは、リサイタル当日のお昼に東京に飛行機で到着し、ホールで音響チェックをして、チェンバロとのバランスなどを確認し、仮眠をとり、コンサートへ望みました。 いつも、ラファエルはコンサート前は、パリだろうが、フランスの田舎の教会だろうが、東京だろうが、コンサート直前は頭を空っぽにする為か仮眠をとります。
普段の彼のスケジュールは毎日違う国に居るということも珍しくありません。 実際、パリでリハーサルして本番までの数日は、パリでレッスン、リハーサル後にスペインに飛び、空港から4時間ドライブでフランスの田舎に到着してコンサートをし、翌日は隣のルクセンブルク公国へ3時間ドライブで弾いて、夜中2時にはフランスへ帰ってくるというタフぶり!
日本が大好きでここ10年ほど毎年来日しているので、日本の良さを尽くし、築地のお寿司屋さんを食べたら、パリのお寿司は全くの”別物”!!と言っていました。

バッハのFantasieとFugue (ファンタジーとフーガ)を演奏後、初めてチェンバロを聞きにいらっしゃる方も多くいるのでは?と思い、楽器の説明後、ラファエルを紹介し、 登場して頂き、バロックチェロの説明。
ラファエルとはざっと楽器の説明ね。と楽屋で話していたものの、弓やガット弦まで説明し、私の頭の中では、通訳する内容がどんどんと長文になっていき、 話し続けるラファエルに思わず、笑ってしまいました。 気が付くと15分もかかってしまい、ラファエルがバッハの無伴奏チェロ組曲を弾き始めのころにもう7:25分?!?! ・・・・
ということで、急遽その後のチェンバロソロのパルテイータ2番も繰り返しをカットしたり・・・
後半は、演奏に集中しようということでトークなしに最後までチェロソナターチェンバローチェロソナタの流れ。 最後のアンコール前に、是非ラファエルが一言お話をしたいと。
実は、コンサート10日前に世界的なチェリスト・ヤーノシュ・シュタルケル氏がアメリカで亡くなったということ。 ラファエルと、奥さんのパスカルは共にアメリカのインデイアナ大学でシュタルケルに学び、心から悲しいできごと・・・と心を落としていた。
ラファエルの滞在先のホテルとフランスのラジオ局をつないで、ライブインタビューや新聞の取材などを受けていたということ。 是非、アンコールのヴィヴァルデイのゆったりとした曲を、シュタルケルに捧げたいと。
最後に2人で呼吸を合わせて演奏し、そしてゴルドベルク変奏曲のアリアを演奏させて頂きました。
ラファエルとは、来年1月にナントでコンサートをします。 本当にかけがえのない、素晴らしい友人であり、尊敬すべき音楽家です。

フランスから来日していた共通の友人であるアンサンブル・コントンポランのチェリスト、エリックマリアも駆けつけてくれました!
また、日本で素晴らしい企画ができることを、願っています。

いつも仲良しのお友達からは、素敵なお花をプレゼントして頂きました!
皆様こんにちは。
第4回のバッハ公開講座は、いよいよ【インベンション】が始まりました!
インベンションシリーズを始めるに当たり、現存する資料内容など、ここでもご紹介させて頂きます。
皆様が楽譜を選ぶ時、指使いや装飾音を確認する際に、1つの楽譜だけでなく、バッハの自筆譜と比べて見て頂くと、まるでバッハのレッスンを受けた様に?彼の息吹を感じられますよ!

インベンション1番1ページ目。
有名なインベンションですが、ベルリン図書館にあるバッハの自筆譜には、後から書き加えたであろう、3連音符になっています。

ウィーン原典版とベーレンライター版はこちら。
ウイーン原点版には、バッハが書いた3連音符のヴァージョンも掲載されています。
現存する貴重な資料3つ
①1723年 バッハの自筆譜(ベルリン図書館所蔵)
バッハのオリジナルのスラーと装飾音が書かれている貴重な資料。バッハの生徒や家族などで、沢山写譜された。長男のレッスン中に書かれたと思われる。長男も作曲に参加しただろう。
②1720年 ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集(アメリカ・アメリカのイエール大学音楽学部付属図書館所蔵。)
1932年 Da Capo Press:New Yorkより出版。

Preambulumというタイトルのもと、15のインベンションが書かれている。 シンフォニアも書かれているが、c-mollがなく、D-durは未完成。長男のヴィルへ ルム・バッハによって書かれているが、父ヨハン・セバスチャンの監修によるものと考えられる。
大部分のインベンションとシンフォニアは父によって書かれている。
有名な装飾音の表が載っているのもこの音楽帳。
③1725年バッハの弟子ヨーハン・ニーコラウス・ゲルバーによる筆写譜(ハーグの国立博物館所蔵。ベーレンライターに、ゲルバー筆者譜のシンフォニア4.6.9.11.13番と5番のファクシミリが掲載されています)
この①-③の資料をもとに、Urtextと呼ばれる原典版がヘンレ、ベーレンライター、ウィーンより出版されています。
ここで、楽譜についての用語を整理してみましょう。
A 自筆譜ファクシミリ)
:作曲家が書いた楽譜。バッハが作曲した過程が読み取れる為、貴重な資料として現代の原典版の出版の際にも最も重要。
B 英:Facsimile of Manuscript, Autograph)
:自筆譜の忠実なコピーで、バッハの奥様アンナ・マグダレーナ・バッハ
(バッハと似た筆跡)や生徒の楽譜も現存する。当時は、コピー機もないですし、銅版印刷も大変高価な時代ですので、生徒やアマチュアの間で人気の曲は、多くの写譜が残されていますが、伝言ゲームと同じで、小さなスラーや装飾音など、少しずつ相違点も出て来てしまいます。
C 全集)
:学術的考証を十分に経ているが、批判的な注釈はやや短くなる傾向があります。
D 原典版
:「原典とは、本来音楽的に意味されていたものを最大限に忠実に保ちながら、
譜面の外見上は近代化された楽譜」
学問的批判的な版であると共に、実際に演奏に用いるための版で、たとえば指使いなども必要であれば指示に含まれます。
今回は、3冊の原典版を比べ、指使いも3通り違いますが、これはバッハが書いた指使いではなく、各編集者の案です。
ヨーロッパ人の手と日本人の手、そして1人1人使いやすい指使いは違いますので、参考程度にして、最終的には自分の表現したいフレーズを歌いやすい様に、考えることが最善ではないでしょうか。
また、数少ないですがバッハの残した指使いが書かれた他の曲などを参考にするのも、良いと思います。

【インベンション第1番】ヘンレ版
その他、日本の出版社やツェルニー版などは、バッハが何も記載していないくても ”Allegro” 四分音符=120の様にメトロノームのテンポ表記、また数小節に渡ってスラーを書いてありますが、これは、あくまで編集者のアイデアで、バッハではありませんので、よく見極めて下さい。
できるだけ、バッハの自筆譜を忠実に再現した楽譜を使用することを、お勧め致します。

バッハは、インベンションを1720年より書き始めましたが、始めは長男であるヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのために、レッスンで使用する為に作曲し始めた様です。また、その小曲集の冒頭にバッハ自身が書いてあります様に、”カンタービレで歌う様に弾く”奏法を身に付けるだけでなく、作曲も学ぶ目的とされていたことが分かります。
和訳
『率直なる手引き。クラヴィーアの愛好者、特に学習に意欲のある者が、まず2つの声部をきれいに弾くことを学び、
さらに進んでは3つのオブリガート声部を適切に処理できるように、またそれに伴い、優れたインヴェンション(着想)を得るだけでなく、それをうまく展開できるように、そしてとりわけカンタービレな奏法を会得し、同時に作曲のためのしっかりした予備知識を得るために』とある。)
当時の【カンタービレな奏法】とは、どの様な弾き方だったのでしょう?
想像することしかできませんが、バッハが愛したクラヴィコードで演奏することを想定すると、イメージが湧くと思います。
チェンバロは弦を弾きますが、クラヴィコードという長方形の楽器は、バッハだけでなく、長男、次男も愛した鍵盤楽器です。
オルガにストの自宅用の練習にも最適とされています。
指先と鍵盤のコンタクトがとても大事で、強弱、クレッシェンド、ビブラートも指先でできた、楽器です。
以下、クラヴィコード詳細はウィキぺデイアより引用させて頂きます。
クラヴィコードは鍵盤楽器の一種。14世紀頃に発明され、オルガンやチェンバロ、ピアノなどと並行して、16世紀から18世紀にかけて広く使用された。特にドイツ語圏の国々、スカンジナビア半島およびイベリア半島において盛んに用いられた。中世のモノコード(モノコルド)に鍵盤機構を付加したものから発達したとする説があるが、確実な証拠は残っていない。
長方形の箱形の楽器で、テーブルや専用の台などの上において用いる。音量はチェンバロなどに比べると小さい。1730年代以前に製作された楽器の多数は小型(幅4フィート、音域4オクターブ程度)であるのに対して、後期の楽器には幅7フィート、音域6オクターブに達するものもある。
内部構造は比較的単純で、左側に鍵盤、右側に響板が位置し、響板の下の空洞が共鳴箱となる。弦(真鍮あるいは鉄弦、通常は複弦)は左側のヒッチピンと右側のチューニングペグの間に張られており、チューニングレバーを用いてチューニングペグ側で巻き取って調律する。チューニングペグの手前にはブリッジが配されている。鍵は小さな金属片(タンジェントと呼ばれる)の取り付けられたレバー(てこ)となっている。 鍵を押し下げるとタンジェントが弦を上に向かって垂直に突き上げる。タンジェントによって分割された弦のヒッチピン側はフェルトによって消音され、タンジェントからブリッジまでの間の弦が振動する。この振動はブリッジを通して響板に伝わる。音量は鍵を叩く強さによって調整が可能である。また打鍵後も鍵を押す強さによってピッチが変化し、これを利用してビブラートをかけること(ベーブング)も可能である。 鍵を離すと弦からタンジェントが離れ、弦全体がフェルトで消音される。
タンジェントの接触によって弦の振動長が決定するという構造上、複数の鍵をそれぞれのタンジェントが弦にあたる位置を変えるようにして同一の弦に割り当てることも可能である(モノコードに類似)。こうした楽器は特に「フレッテッド・クラヴィコード」と呼ばれている。この技術によって必要となる弦が少なくなることから、楽器の製作が容易になる。その一方で、1本の弦では一度に1つの音しか出せないため、楽器の能力を限定してしまうこととなる。複数の音が割り当てられる場合、一般には同時に奏でられることが稀な音(例えばハと嬰ハ)が同一の弦に割り当てられるが、これにより例えば半音のトリルなどは演奏が難しくなる。18世紀には、各鍵ごとに一対の複弦が割り当てられた、「アンフレッテッド・クラヴィコード」も作られた。
オルガン奏者の練習用には、1つあるいは2つの手鍵盤と足鍵盤を持つクラヴィコードが製作された。電気式ふいごが発明されるまでは、オルガンの演奏に必要なふいごの操作は人力で行われ、多くの労力を要したため、オルガン奏者は練習にクラヴィコードを用いる事が多かった。そのため、この時期に作曲された「オルガンのための練習曲」は、より正確には足鍵盤付きのクラヴィコードを意図したものであるとの見解もある。
1400年ごろから1800年ごろにかけて、チェンバロ、ピアノおよびオルガンのために書かれた音楽の多くはクラヴィコードによって演奏することが可能であり、また実際に演奏されていた。家庭用の楽器として多くの音楽家に愛用され、例えばヨハン・ゼバスティアン・バッハの子であるC.P.E.バッハはクラヴィコードの熱心な支持者だった。また、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンのソナタのいくつかも、当時のドイツ・オーストリアで製作されていた比較的大型のクラヴィコードで演奏されたと考えられる。