朝日の中のシャルトル大聖堂
皆様、こんにちは。
やっと春嵐!?も去り、ポカポカ陽気になりましたね。
去年の今頃は、コンサートの為にパリへ3週間ほど滞在していました。

半年ぶりのパリの街を散歩したり、オリジナルのチェンバロを博物館へ見に行ったり、とても有意義な時間でした。
偶然にも、私のバッハ:ゴルトベルク変奏曲のCDがフランス国営ラジオで放送された日は、耳を澄まして、フランス語で何と紹介されているのか?、そして自分の演奏が紹介されるのを、ドキドキしながら聞いていました。

また、18世紀のチェンバロを弾かせて頂く為に、北フランスのシャルトルへ電車に1時間乗って行きました。

世界的に有名なシャルトル大聖堂のステンドグラスには、圧巻でした。
デザインや聖書の色々な場面が、細やかな色彩感と共に表現されています。

ヨーロッパでは、宗教と共に教会音楽も発展し、オルガンは古く昔から天に地上の声を伝える楽器として愛用されてきました。

ばら窓。ノートルダムのばら窓は濃いブルーが基調ですが、また違った趣ですね。

外から差し込む光で、とても綺麗です

外から見た大聖堂。ちょうど左側がバラ窓です。
あまりに高くてカメラ内に映りません

ファッサード

彫刻の1つ1つに職人さんの魂がこもっています

大聖堂の裏には、素敵なお庭、そして楽器博物館があります。

個人所有の18世紀のチェンバロが保管されています。この日は閉館日で特別に試奏させて頂きました。

チェンバロを弾いていて、ふと見上げたらこの部屋に、1811年6月2-4日までナポレオンと奥様のマリールイーズさんが滞在していたということです。まあ!何と!!
と1人で驚きながら、チェンバロの音に耳を傾けていました。天井も高く、素晴らしい響きがします。
日本は湿気が高い為、音が空気中に響きにくいのですが、乾燥しているヨーロッパで石作りや教会の10メートル以上の天井の中では、音が自然に伸びていきます。

チェンバロは1台1台装飾、タッチ、音色も全て違うオーダーメードの楽器です。
鍵盤にも金箔が貼られています。黒鍵の金箔はちょっと剥がれていますね。ラ#だけついてますが、あまり使わなかったのでしょうか?(笑)

響板の中にも素敵な絵が描かれています。こでも、1台1台全てハンドメイドです。
現代のチェンバロも専門の装飾画家が、フランス式、ドイツ式、フレミッシュ式、イタリア式チェンバロに合わせて違うスタイルの装飾を描きます。
楽器の構造やボディのライン、音色、足台なども全て各様式によって異なるのは、アンテイーク家具と似ています。

窓から見える庭園。全て計算されて美しく設計されていますね。

ノルマンディー地方の典型的な木組みの家。可愛いですね。

パリへTGV高速列車で戻ると、八重桜が満開でした。パリの桜は、ほとんどが濃いピンクで、私は薄いピンクの方が日本らしいなと思いますが、皆様はいかがでしょうか。

ここはどこ?
と思う様な、素敵な雰囲気。
5つ星の由緒ある”プラザ・アテネ”のホテルで、贅沢なサロンコンサートで演奏させて頂きました。

”Le salon de Marie Antoinette マリーアントワネットのサロン”でコンサート。

こじんまりとして20名ほどのサロン形式。昔は、こんな風にヴェルサイユ宮殿で、王侯貴族と親しい友人でチェンバロを楽しんだのではないでしょうか。


コンサート終演後。
5月7日の東京リサイタルで演奏して頂く、ラファエル・ピドゥ―氏と。
今となっては笑い話ですが、 ホテルは世界中のお金持ちのお客様という感じで、私がロビーで担当者をお待ちしていたら、明らかに客層と違ったらしく(!!)コンシェルジュの方がいらして、
“Qu`est ce que desirez-vous?” 何のご用件ですか?
とわざわざ聞きに来ました。(笑)
“Je vas jouer le concert ce soir…” 今晩のコンサートで演奏するのですが…
とお伝えしたら、やっと
“Entendu madame.Attendez-ici,s`il vous plait” 分かりました。ここでお待ち下さい。
と言われ、居る事を許され?
担当者も私の目の前のレセプションにずっと立って待っていたのですが、私=音楽家と分からなかった様で、どこの小娘?と思われていたようです。(苦笑)

夜のコンサートでしたので、宿泊させて頂いたのですが、こんなに素晴しいお部屋は一生に何回泊まれるでしょうか?聞いたら1泊30万だったそうです・・・
こんなことは、さすがにパリでもリッツホテルやプラザなど限られた超高級ホテルでしたか、体験しないお高い感じですが、翌日会った友人に”1つ星の素朴で庶民的なホテルの方が親近感が湧くね”と話したら、笑っていました。

プラザ・アテネはエッフェル塔からセーヌ川を渡ったところなので、絶景です。

その後、パリ中心のシャトレ劇場のフォアイエにて、2枚のCDリリース記念コンサートが行われました。

ソロでバッハ:ゴルトベルク変奏曲を演奏しました。

ラファエル・ピドゥー氏(右側のチェロ)とパスカル・ジョパール女史(左側のチェロ)と、トリオも演奏しました。
無事にコンサートを終えて、帰国しました。例え3日でも、パリの街を歩いているとすぐに住んでいた感覚に戻り、鼻歌を歌いながら歩いている自分に気が付きます。
道路は犬の落し物だらけで、ゴミも散らかっているし、フランス人も自己中心的な人たちも多い・・・
けれども、セーヌ川を見たくなって橋に向かいたくなります。そして、クープランファミリーがオルガ二ストとして活躍していたサン・ジェルヴェ教会を訪れたりしているうちに、すっかりパリに魅了されている自分がいます。
本当に不思議な町ですね。
アメリカーオランダーフランスと3カ国渡り歩き、一番苦労し、大変だったパリですが、今となっては旧友の様に、苦楽を全てひっくり返して、懐かしい場所です。また7月に訪れるまで、レッスンとコンサートの練習の毎日です!
こうして写真を見るだけで、元気を貰いますね。
第3回バッハ公開講座が無事に終了致しました。
東京だけでなく、遠くは香港からも参加して頂き、【イタリア協奏曲】を演奏して頂き、チェンバロ奏法について具体的にお話しさせて頂きました。

チェンバロの音を鳴らしているジャックはこんなに小さいです!
皆様にも、弦を弾いている感じを体験して頂きました。
ピアノは叩いていますが、チェンバロは弾いている為、タッチや奏法も異なります。

この5日間、香港よりチェンバロレッスンの為に来日なさった生徒様にもご参加いただきました。
香港には、チェンバロの先生や講座、スタジオなどがないそうで、昨年12月に初めて東京にレッスンにお越しくださり、今週イースターのお休みを利用して、2回目の東京レッスンの為に来日なさいました。
数か月に1回しか来日できないということで、その間の補助的な意味で、メールでのレッスンを1-3月に行ってきました。
録音とスコア(楽譜に彼女の弾いている指使いやアーテイキュレーション)を記入してメールで送って頂き、それに対して、私がコメントをし、Exlsファイルに各小節ごとの注意点をまとめ、再度彼女が訂正をして、方向性があっているのか確認していくという作業です。
これは、昨年私がバッハのCDの編集作業を、パリのエンジニアと行い、1音1音に至るまで協議していった経験をもとに思いつきました。距離というものは縮めることができないけれど、テクノロジーを駆使して作業することもできると学んだからです。
インベンションの1-8番までを1月ー3月に行ってきましたが、同じ曲を2回目に録音して下さった際には、別人のように変化していて、大変驚きました。私自身、彼女とのメールレッスンをしながら、多くのことを学ばさせて頂いております。
勿論、目の前で手の形、奏法、音の鳴らし方を聞きながらレッスンできるのがベストですが、環境的に難しい場合は、色々な方法を取り入れることも1つの可能性ではないかと思います。
明日で5日目のレッスンが終わり、香港へ戻られますが、この5年間で学びたいレパートリー、10年後にはバッハ全曲を弾いてみたい・・・など高い志をお持ちの方で、今後が楽しみです。

チェンバロ奏法をご説明させて頂いた後に、それらをどのようにピアノ奏法に生かすのか?というデモンストレーションを行いました。
ピアノであれば、レガートで弾くけれど、チェンバロではレガートで弾いても表情が出ないので、細やかなアーテイキュレーションをする場所など、実際に弾き比べてみました。

ユーロピアノには、2段チェンバロ、スピネット、グランドピアノがある贅沢な環境の為、楽器の弾き比べなどもでき、皆様にも体験して頂ける機会になればと願っております。
4月21日(日)は、バッハ:インベンション1番ー4番をテーマに開催致します。
ピアニストの方、ピアノの先生、チェンバロにご興味のある方、お好きな方、お気軽にご参加下さいませ。

皆様、こんにちは。
梅の花が咲き、春らしくなってきましたね。
第6回 植山けいチェンバロリサイタル 5月7日(火)19時 伝承ホール (渋谷)
世界的なフランス人チェリスト、ラファエル・ピドゥ―氏と共にリサイタルを開催させて頂く運びとなりました。ピドゥー氏とバッハの名曲や、ヴィヴァルディ、デュポール、ロワイエの親しみやすいプログラムです。
パリでピドゥー氏と共に録音させて頂いた『デュポール:チェロソナタ集』は、チェロの豊かな響きと超絶技巧が高く評価され、レコード芸術【準特選盤】に選出されました。
植山 けい:
ロンドン生まれ、東京育ち。2004年Paolo Bernaldiチェンバロコンクール第2位(イタリア)。第19回国際古楽コンクール<山梨>チェンバロ部門第3位(日本)。
桐朋学園大学ピアノ科、アムステルダム音楽院チェンバロ科(オランダ)、欧米4カ国で研鑽を積む。現在パリと東京を中心にチェンバロ奏者として活躍中。
2012年15カ国でソロリリース『バッハ:ゴルトベルク変奏曲』をスイス・ノイシャテル博物館所蔵ヨハネス・ルッカース1632/1745で録音。フランス ディアパゾン・ドール賞、レコード芸術【特選盤】並びに朝日新聞推薦盤に選出された。また、デュポールのチェロソナタ集をラファエル・ピドゥー(チェロ)と世界初録音し、レコード芸術【準特選盤】に選出。Kay Music Academyにて後進の指導にもあたる。
ラファエル・ピドゥー:
TrioWonderer(トリオ・ワンデラ―)のメンバーとして世界的に活動し、シャ
ンゼリゼ劇場(パリ)、スカラ座(ミラノ)などに出演し、フランス国立管弦
楽団など数多くのオーケストラと共演。17歳でパリ国立高等音楽院へ入学し
1等賞で卒業。 1988年ARDミュンヘン国際コンクール入賞、バッハコンクール3位受賞。
これまで数々の録音よりレコード大賞、デイアパゾン・ドール賞を受賞。
2009年パリ・オペラ座にてカダー ル・ベラルビとヌレエフの振付による【バッハ:無伴奏組曲】で特別出演した。現在パリ地方音楽院で教便を取り、ゴフレッド・カッパ制作(サルッツォ1680年)のチェロを使用している。
渋谷駅から徒歩5分の大変便利な350名収容のホールです。恵比寿や代官山から『ハチ公バス』の夕やけ小やけルートもあり、恵比寿ガーデンプレイスの前より15分ほどで到着致します。
Kay`s Cembalo Club (KCC) のメンバー募集中
チェンバロをより多くの方に親しんで頂く為に、色々な活動に励んで参りたいと思います。チェンバロや音楽がお好きな方、興味のある方、お気軽にご登録下さいませ。
メンバー登録は無料で、チケット料金割引、先行予約などのサービスがございます。
お申込みと同時に、KCCメンバー会員ご登録ご希望の方は、チケット割引を適応させて頂きます。(5月7日3,600円、
どうぞ皆様、ゴールデンウィーク明けのイベントとして、是非ご家族やお友達とコンサートへお出かけ下さいませ。
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げております。
満開の桜も段々と葉桜になってきました。はらはらと桜の花びらが散る姿は、本当に美しいですね。

3月23日(土)4人の響きコンサートが無事に終了致しました。
わざわざ、遠くからお越し下さいました方がたに、心より御礼申し上げます。
今回は、留学時代を共にし、日本でも活躍している仲間と、バロックを盛り立てよう!とイタリアとフランスをテーマに企画・開催をさせて頂きました。

1つのコンサートでチェンバリスト3人+バロックチェロ1人という編成で、ソロチェンバロ、チェロのDuo、そして2台チェンバロもお楽しみ頂ける盛り沢山な内容でお届けさせて頂きました。今回の経験を生かして、次回に続けていきたいと願っております。
とても嬉しかったのは、10年前にボストンでピアノを教えて頂いた恩師、Victor Rosenbaum氏が駆けつけてくれました。翌日にはボストンへ戻られました。
また、いつもコンサートへ来て頂ける小学校の先生や生徒様達にも感謝です。

本当に多くの皆様にお越し頂き、感謝です。
どうぞ、今後も宜しくお願いいたします。
この度、3月にイタリアとフランスで私と同時期に留学し、帰国している仲間とコンサートを開く事になりました。
1つのコンサートで4人のアーテイストを聞ける楽しいプログラムをご用意しています。
チェンバロを初めて聞いてみたい方、珍しい曲を聞いてみたい方、アンサンブルやバロックがお好きな方、皆様お誘い合わせ上、お気軽にお越しください。
当日は、チェロとチェンバロ、チェンバロソロ、2台チェンバロなど様々なアンサンブルをお聞きいただけます。
お申込みは、www.kayueyama.comページかこちらのお申込みフォームからもお申込み頂けます。
~イタリア・フランスで活躍している日本人演奏家4人によるコンサート~
4人の響き 2013年3月23日(土)
場所:古楽研究会Space 1F 自由席:3500円
昼公演:(開場13時30分)開演14時
夜公演:(開場18時30分)開演19時
前半:『ナポリ・バロック』 渡邊 孝&懸田 貴嗣
ランゼッティ&ポルポラ:チェロソナタ、A.スカルラッティ:トッカータ イ長調ほか
後半:『クープランFamily』 野澤 知子&植山 けい
ルイ・クープラン:組曲ニ調、 アルマン=ルイ・クープラン:La Chéron
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集 第9オルドルより2台の為のプレリュードほか

渡邊 孝: 山梨・古楽コンクールチェンバロ部門最高位、栃木《蔵の街》音楽祭賞を受賞。2001年2004年ブルージュ国際古楽コンクール・チェンバ部門にてディプロマ受賞。ボンポルティ国際古楽コンクールにて第1位、また聴衆賞、 オーストリア国営放送録音賞を受賞。2012年J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲、レコード芸術特選盤に選出。Ricreation d’Arcadiaメンバー。http://darcadia.blogspot.jp/

懸田 貴嗣: 2007年度文化庁在外派遣研修員。2012年9月に「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131)をリリース、音楽の友、CDジャーナル等で話題となり、平成24年度(第67回)文化庁芸術祭レコード部門優秀賞を受賞。国内外の主要オーケストラと共演、録音。 http://lanzetti.exblog.jp/

野澤 知子: 東京藝術大学古楽科にてアカンサス賞、安宅賞を受賞。第17回山梨古楽コンクール第1位。きのくに芸術新人賞を受賞。ブリュージュ国際コンクール ディプロマ賞。フランスクラヴサン協会より、若手活躍する演奏家として選ばれる。文化庁芸術家在外研修員。 http://fayette.exblog.jp/

植山けい:。2004年Paolo Bernaldiチェンバロコンクール第2位受賞。2012年バッハ:ゴルトべルグ変奏曲をリリースし、フランスDiapasonD`or賞、レコード芸術特選盤、朝日新聞推薦盤に選出し、ラジオフランスで放送。東京とパリで演奏活動、Kay Music Academyを創立。 http://www.kayueyama.com/
お問合せ&お申込み先:www.kayueyama.com
電話&Fax 03-6304-6966
♪会場所在地:古楽研究会 Space 1F・
東京都板橋区中丸町10-1 古楽研究会ビル1F 有楽町線 要町駅:3番出口 山手通り沿い徒歩9分
想楽舎 TEL.03-3530-7280
http://www.space1f.com
皆様、こんにちは。
第2回バッハ公開講座【イタリア協奏曲】へ、わざわざ遠い愛知県や東京各地より、お越し頂き、誠にありがとうございました。

小学生のピアノ生徒様~大人のピアノ生徒様、チェンバリストの方までお越し頂き、色々な観点よりピアノとチェンバロでどの様にバッハを弾くかという内容で説明・実演をさせて頂きました。
ピアノのレッスンでは、普段説明をする時間がなかなか無い、【チェンバロからピアノまでの楽器の発展】や、それに伴い【どの様に奏法が変化していったのか】、また【楽器の機能の違いからテクニックがどの様に異なるのか】、『イタリア協奏曲』を例に取り上げ、実演させて頂きました。
私自身が、同じ【イタリア協奏曲】を目の前にしても、ピアノで弾く場合、そしてチェンバロで弾く場合では、出てくるアイディアが異なります。
それは、ピアノ・チェンバがより美しく響く方法がそれぞれ異なるからです。
一言で説明するならば、チェンバロは【語る】、ピアノは【歌う】奏法が必要となります。
チェンバロで【語る】為には、指先のアーティキュレーションが、大変重要となります。
演説する政治家や演劇の俳優の様に、はっきりと発音をする為には、言葉の前後に小さな『間 silence』を入れたり、発音を明確にしなければ、多くの方や遠くへ伝わりません。
ピアノで【歌う】為には、指だけでなく、手の甲、手首、腕を脱力することにより、自然なレガートで演奏する事が多くなります。
昨日は、実際にチェンバロタッチでピアノを弾いた場合を実演し、細かいアーテイキュレーションでピアノを弾くと、細切れに聞こえてしまい、ピアノには相応しくありませんでした。その為、よりピアノに適した奏法で弾き、聞き比べていただきました。
また、ピアノでペダルを沢山使用し、全てレガートで弾いた場合は、全てが平らに聞こえてしまい、だらしない印象になります。
そこで、イタリア協奏曲をチェンバロで演奏した場合の【アーテイキュレーション】をはっきりとした奏法や、バスの低音をオーケストラのチェロをイメージした場合の切りめのバスラインなどを、ピアノ演奏にも取り入れて演奏しました。
チェンバロやバッハのオーケストラ曲をイメージして、ピアノで演奏すると、より生き生きとしてきます。
上記のように、ピアノとチェンバロの違い。
また、チェンバロを知ることで、どの様にピアノ演奏にも生かせるのか。
を実演させて頂きました。
装飾音や歌い方においても、ピアノではあまり極端なことをすることは少ないのですが、チェンバロ主流のバロック時代では、即興演奏はごく普通に行われていました。
【イタリア協奏曲】第2楽章の様に、バスラインはテンポ通り弾いて、右手のメロディーはイタリアのアリアの歌手のように自由に旋律を歌う事も、チェンバリストの方がピアニストよりも自由に表現していると思います。それは、ピアノレッスンでは、その様な自由が歴史的背景からも許されるということを知らない為、拍どおりに真面目に弾く傾向になっているのではないかと思います。
バスと常に拍が常に合っていなくても、きちんとフレーズの始めや最後、カデンツァなどの重要な場所が一致していれば、自由に歌って良いスタイルです。それは、まるで通奏低音者のチェロやチェンバロと、歌手のアンサンブルと同じで、バスラインがメロデイーを束縛することはありません。
歌手が時間を取ったり、先へ進んでも、一定のバスが常に『軸』となってぶれない範囲であれば、自由にメロデイーを歌ったほうが、美しく聞こえます。

一般にピアノでバッハを習う時は、【バッハだから真面目に】とか【スタイルに沿って】と堅苦しい印象があると思います。
しかし、よくよくバッハの楽譜を見てみると、多くのウィットに富んだアイデイアが散りばめられており、その秘密を読み説いていくのは、演奏者自身です。
演奏者の観点『バッハ=真面目』→聞き手 バッハ=真面目な印象
演奏者の観点『バッハ=色々なアィデアの宝庫』→聞き手 バッハ=新しい発見
となるかも知れません。
同じ楽譜を楽しく、退屈に、そしてピアノ、チェンバロで演奏するのも演奏者の自由です。
楽譜にフォルテ(強い)・ピアノ(弱い)と記載されていなくても、和声進行を分析していくと、緊張感のある属七や5度のドミナントの和音の部分や、同じ和声進行が繰り返されているゼクエンツ、解決したときの安堵感など、十分に色とりどりのカラーがあります。
それを感じれるようになれば、チェンバロやピアノ他の楽器でも演奏がより深くなり、説得力が出てきます。
3月以降は、公開レッスン形式で実際に演奏をして頂く生徒様を募集させて頂きます。
3月31日(日)14時~【イタリア協奏曲】実践編や4月以降から始まる【インベンション】シリーズで演奏をなさりたい方は、是非奮ってご応募下さいませ。
今後も、皆様と一緒にチェンバロとピアノ体験をできる場を企画していきたいと思います。

この度、 ブリュッセル王立音楽院チェンバロ科教授のフレデリック・ハース氏の来日に合わせて、マスタークラスを開催することになりました。
バッハと17~18世紀フランス音楽のレパートリーを中心にレッスンを行う予定です。会場スペースの関係上、受講生5名様、聴講15名様限定となります。
2月8日(金)の開催のため、直前のご案内となってしまいますが、受講希望の方、聴講希望の方、奮ってご参加下さいませ。すでに3名様の受講のお申込みがございましたので、受講生は、2名様限定になります。
15名の限られたスペースになりますので、お早めにお申し込み下さいませ。このサイトのマスタークラスお申込みフォームより受講・聴講のご予約可能です。レッスンは、フランス語の通訳がございます。
フレデリック・ハース チェンバロマスタークラスお申込み
2013年2月8日(金)13時~18時
レッスンは、フランス語の通訳がございます。
受講料:15,000円
聴講料: 1,500円
場所:Studio Trianon(最寄駅:JR御茶ノ水、湯島駅、末広町駅、本郷三丁目
会場:Studio Trianon
〒113-0034 文京区湯島2-14-3
tel: 03-6806-0470
地図は、『Concertページ』のマスタークラスお申込みページよりご覧下さいませ。
フレデリック・ハース(Frédérick Haas)/チェンバロ
1969年、ベルギー生まれ。初期のピアノ指導を受けた後、12歳でチェンバロを弾き始め、多くの教師にチェンバロを学ぶ。その後、渡仏。ソルボンヌ大学で音楽学の学位を得た後、オランダのスウェーリンク音楽院(現アムステルダム音楽院)と、ベルギーのブリュッセル王立音楽院でソリスト・ディプロマを授与された。スコット・ロス、ジョス=ファン・インマゼール(チェンバロ)、アンドレ・イゾワール(オルガン)、ジョルディ・サバール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)といった名手からも触発を受けている。また、チェンバロ製作者のワークショップにも参加、楽器調律や調整法なども学んで楽器の響きを最大限に引き出す努力を重ねている。チェンバロ、フォルテピアノのソリスト、また自身が創設した古楽グループ「アンサンブル・オーソニア」の芸術監督として、ナント音楽祭やユトレヒト音楽祭、サンクト・ペテルブルク国際古楽音楽祭、ヴェルサイユ・バロック音楽センター、アムステルダム・コンセルトヘボウなど欧州各地の舞台で演奏を重ねている。CDはカリオペ・レーベルからダングルベールの組曲やラモーのチェンバロ作品集、J・S・バッハのイギリス組曲、D・スカルラッティの21のソナタ集などを発表。J・S・バッハの6つのヴァイオリン・ソナタ(ヴァイオリン:ミラ・グロデアヌ)、フランソワ・クープランの作品集などは欧州各国の音楽専門誌で高い評価を得ている。最新ディスクは、J・S・バッハの「ゴルトベルク変奏曲」。現在、ブリュッセル王立音楽院でチェンバロ科教授。定期的にドイツ、フランス、ベルギー、ルーマニアのマスタークラスも受け持っている。2010年ブルージュ国際コンクール・チェンバロ部門の審査員。
この間、演奏をしていて、ふと思いました。
楽譜が、まるで『作曲家からのお手紙のようだ』と。
楽譜を文章に例えたら、分かりやすく考えられました。
皆様が本を読む時、どの様に読みますか?
書かれた内容を読む。
文章の構成がどうなっているのか、気を付けて読む。
語彙の細かい表現に、その作者らしいと思いながら読む。
どの様にひと段落がまとまり、起承転結を作っているのか。
この様なことが、全て♪音符と楽譜にも『作曲家からのメッセージ』
として残っているのです。
それを、どの様に謎解いていくのか・・・

1人1人の演奏者によると思います。
私は、表面の音符だけでなく、少しでも奥の、さらに奥の・・・
作曲家の見地を知りたいと思っています。
そんな、探究心を持った生徒様達と一緒に、レッスンで楽譜を通して、読み深めていくのは、
とても楽しい作業です。
私も発見!
生徒様も発見!
そして、生徒様の内なる可能性を発見!
生徒様もご自身でびっくり!新たな自分を開眼させていく・・・
そんな素敵な場になればと思います。

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大人の生徒様で、初めてピアノを習い始め、ショパンの『雨だれ』を弾きたいと来られた方がいらっしゃいます。
始めは♪音符にドレミをカタカナでふり、リズムや音の読み方、和声なども勉強する事から始め、その次は、3声部を指をコントロールしていくこと、呼吸すること、手に無理のないポジション、弱い指の強化する簡単な練習なども取り入れ、4カ月後に見事に発表会で演奏されました。
発表会前には、『音を通してどの様に表現をするのか』、いつの間にか曲の構成や音色などについても考えて弾けるようになりました。
その生徒様が久しぶりにお正月にご実家へ帰省なさりました。
ピアノがあるということで、 『是非、ご家族の皆様に演奏して下さい!音楽は、みんなで分かち合えるのが何よりも魅力なのですから。』とお伝えしました。
年が明けて、その生徒様から嬉しそうなメッセージが届きました。
『みんな驚いていました!そして喜んでくれました』

最愛のご家族への、何よりも素晴らしいプレゼントだったのではないでしょうか。
来年の発表会では、また次の憧れの曲へ向けて、新たな気持ちでレッスンがスタートです。
またご家族の方へ、別の曲をプレゼントできたら素敵ですね。
帰国してから、日本の音楽教育を受けた後に、海外留学についてご相談を受けることがあります。
1人1人、どの様な先生とレッスンをしてきたのか、レベルや目標によって、そしてその方が『何を求めて』留学したいかに寄っても、行き先は様々な可能性があると思います。
留学先を決める前に大事なこと。
1.どんなレパートリーが好きなのか、極めたいのか。(フランス、ドイツなど)
2.アメリカとヨーロッパ(音楽の趣味が事なります)
3.誰と勉強したいのか(何よりも一番大事なのは先生です)
4.言葉(音楽留学だからと言って、話せなければ苦労の嵐です。芸は身を助けると言いますが、本当に語学力は身を助けます)

私は、アメリカへ2年ピアノ留学のつもりで、急遽1カ月で決めてバタバタっと飛行機へ乗り、まさか13年後に本帰国するとは、思ってもいませんでした。アメリカーオランダ―フランスの3カ国の音楽教育とコンサート、演奏活動を通じて、人々の中の音楽の観点、その国で音楽がどの様に人々の生活に密着しているのか、聞きに来る聴衆がいるのか・・・などの違いを見てきました。
日本での常識は、外国では常識でないこともあります。
場所が変われば、価値観も人々も全く異なるからです。
始めは戸惑う事も多く、留学1年目のピアノのレッスンの帰りには、いつも『今まで思い描いていた音楽やピアノレッスン』に対しての先入観が、どんどんと玉ねぎの皮をむくように(?!)剥がされていくのを感じました。
それは、若さの中で新しいことを吸収しながら、今までの自分の『音楽観』を改革)していったのだと思います。
私の中では、それまでの20年近くの音楽観を一度『リセット』したつもりです。その当時は、“捨てる”という感覚でしたが、実際は、幼少の頃に見に付けたテクニックというのは、どこにも消えないものです。今となっては『三日坊主』の私に、根気よく毎日の練習に付き合ってくれた母に感謝です。
まだ、若い時は柔軟性や順応性がありますから、心もフレキシブルに刺激を受けながら、どんどんと変化していけます。
そんな、数えきれないほどの見えない『ショック』を良い意味でも悪い意味でも受けながら、20代を過ごした事は、今の私にとって大変貴重な経験となりました。
というのも、人を自分の先入観で決めつけない。こうだと思っても、違う国へ行ったら全く常識がくつがえされることを経験したからです。

例えば、日本では『話し過ぎない、出過ぎない』というのは美徳とされています。
しかし、一歩日本から出れば演奏をしても、聴衆や先生、レコード会社の方、マネージャーなどにも聞かれます。
『あなたは、どうしてこの曲を弾きたいの?』
『次はどんなプロジェクトをしたいの?』
『どうして、この楽器を選んだの?』
『あたなは、何をこの曲で表現したいの?』
その時に、自分の意見、音楽家としてどのような観点で向き合っているのか、きちんと話せなければ説得力はまるでないのです。
演奏の中にも『説得力』がなければ、音楽家として認めてくれません。
そういう時に、ただニコニコ笑って意見を聞かれても、
『良く分かりません・・・,I don`t know.』と言っても、首をかしげられるでしょう。
日本の”かわいい”では通用しないのです。アイデンテイテイー、意見を求められるているからです。
そして、音楽も自分の表現の1つとして、海外経験をすると、訴える力が強くなっていくでしょう。
外国人の方は、弾ける、弾けないに関わらず、子供でも『こう弾きたい』というイメージが強いと思います。
『自分がどの様に演奏したいのか』
それは、趣味でしている子供からプロの音楽家まで、『1人の意見』として、とても大事だと思います。

今、レッスンをさせて頂いている生徒さんの、様々なニーズに合わせて英語、フランス語、日本語で行っています。
ピアノ:
3歳の(フランス人&アメリカ人のハーフ)の子、アメリカ人&日本人のハーフの子、インドネシア人&日本人のハーフの子
日本人のご両親だけれどブリティッシュスクール、アメリカンスクールへ通っているバイリンガルな子供たち
初めてピアノを大人で始めている生徒様
音大卒業なさった大人の生徒様
海外留学経験のある大人の生徒様
チェンバロ:
以前のピアノ生徒様で大人になられてチェンバロを始めている様。
プロのピアニストの方でコンサートでチェンバロを演奏なさりたい方。
香港や日本各地から飛行機でいらっしゃる方。
面白いことに、ハーフの子供たちは”独立心”が早くから芽生えるのか、隣で一緒に弾いてても
『弾かないで!』と怒られたり!?します。(笑)
または、永遠のプリンセスのように毎回ピンクのドレスを着てくる子。可愛いですが、♪より楽譜の絵に夢中です・・・
生まれて初めてのレッスンから4カ月後にショパンの雨だれを発表会で演奏なさった生徒様
日本のピアノ教育のきちんとした練習をして、メキメキと上手に弾いている子、プロの音楽家の方など素晴らしいテクニックを持っている方など様々です。
音楽と言っても、その人の生活にどの様に音楽家関わってきたかは千差万別です。
レッスンをする時に、私は決して無理に何かをさせようとは思いません。
それは、自分が日本の音楽教育で窮屈な思いをしたり、海外留学をして疑問に思う事が沢山あったからです。
アメリカへ行って、アメリカ人の先生がスニーカーでジャンプしながらバッハを踊って見せて、歌っていてビックリ!
日本の大学の先生は、ジーンズ&スニーカーでレッスンへ行くのは、暗黙の了解ながら禁止でしたから・・・
胃液”が逆流してくる位、毎週のレッスンは緊張して、大変厳しかったです。

その後に、アメリカのタングルウッド音楽祭へ初めて行ったら、小澤征爾さんとパールマンの名演奏を芝生の5ドル(500円以下)の席で家族一緒にバスケットを広げて、ワインにチーズ、キャンドルライトでピクニックをしている光景を見ってひっくり返りました!
音楽ってこんな風に楽しんで良いの?
衝撃の光景でしたね。本当に。
そんな色々な経験から、かなり柔軟にならざる終えなかったと思います。
頭は柔らかい方が良いと思います。

そして、バッハやモーツァルト、ベートーベンはこうあるべきという他人の先入観でなく、自分と作曲家の間で、自分の探求心と共に、その距離感やイメージが変わっていくのが自然ではないでしょうか。
私は、バッハのゴルトベルク変奏曲を録音する為に、猛烈に練習して、いざ録音するスイスの博物館へ到着して、1音出しただけで、380年前のチェンバロから生まれて初めて聞こえる音色と共に、自分のちっぽけなバッハ観が、ガラガラと音を立てて崩れていくのを感じました。
実際、崩れていったのです。
かなりの困惑の中で、3日間まるで深い眠りから蘇ったかのように、刻々と変化していくチェンバロに、ただただ圧倒されながら、弾いていくしかありませんでした。
その時できることは、『受け入れる』こと。

自分よりも大きな物に対して、戦うのでなく、一緒に『同調すること』しかできません。
大きな自然を相手にした時と同じです。かないませんから!
改めて、バッハの音楽の無限な可能性、自分のちっぽけな音楽感を崩されました。
その後、2カ月間、自分の演奏を徹底的に聞きました。
人生で1000回以上自分の演奏を聞いたのは、初めてで、『自分の音楽の限界』を感じ、ブラックホールへ落ちた、絶望感も味わいました。
そして、その落ちる時は1人です。落ちるのも一人。這い上がるのも1人。
しかし、それが時間と共に色々な方に共感して頂けたり、ご意見を頂き、大変大きな励みとなり、またその経験を『捨てて』新しい目標へ向かって歩んでいくのみ・・・
ではないでしょうか。
音楽は、終わりのないエベレスト山みたいですね。

そして、1人1人ゴールも、どの様に上るかも千差万別です。
だからこそ、留学、そして毎週のレッスンも1人1人合った音楽との向き合い方を、一緒に探して行きたいと思います。
寒い日が続いておりますが、青空が見えるのは、とても嬉しいですね。
パリでは、10月末~4月まで半年間、グレーの低い空が広がり、なかなか太陽を見る事ができません。
その分、夏は夜10時半まで明るく、夜を大変有効に使えるのですが、その分冬はとても位のです。
なので、体内に必要なビタミンを作る為に受ける太陽の日照時間がない為、みんな鬱(うつ)になりやすいのだそうです。
オランダはフランスよりも、さらに北ですから、タリスの電車で移動中の4時間、どんどん空が低くなっていきます。
そして、『レンブラント』の絵に描かれている様な、暗い、どこからともなく嵐が現れる様な・・・空が実際目の前に広がっていたりします。

さて、ありがたいことに2月のバッハ講座のご予約が定員20名様となりましたので、締め切らせて頂きます。
沢山のお申込みを頂き、ありがとうございました。
今回は、小学1年生~大人の生徒様~プロのピアニストまで幅広くご参加頂く予定でございます。バッハのメヌエット、インベンション、ブランデンブルグ協奏曲までお好きな曲をチェンバロで体験して頂けるチャンスです。
ピアノの生徒様で、チェンバロを弾ける貴重な機会だからとご参加頂く方も多いです。
今回は、『イタリア協奏曲』をテーマにピアノ・チェンバロでの弾き比べや、バッハが書いた強弱記号(フォルテピアノ)がある数少ない曲として、どの様にチェンバロで表現するのか、またそれをふまえた上でピアノでどの様に表現するのか、実演してみます。
4月、6月もバッハ『インベンション』をテーマに取り上げて、講座を開催予定です。
皆様にお会いできますこと、楽しみにしています。